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自己破産が急増

近年、物価上昇やクレジットカード利用の増加により、家計のバランスがくずれやすい状況が続いています。下図は、裁判所が受け付けた自己破産件数の推移を示したものです(司法統計より作成)。

一時の減少傾向から下げ止まり、ここにきて再び増加しているようです。物価の上昇により生活費を補うためにカード払いやローンに頼るケースが増えていることも、背景の一つとして指摘されています。

下表は、「多重債務問題及び消費者向け金融等に関する懇談会」資料から、消費者金融の利用目的を抜粋したものです。

生活費や無計画な買い物が、遊興費やギャンブルよりも多いという結果は、少し意外に感じられるかもしれません。

2番目に多い「後払い決済等の利用代金の支払いのため」には、リボ払いがきっかけで多重債務に陥ったケースなどが含まれます。リボ払いは月々の支払いを小さく見せますが、返済期間が長くなるため、利息を含めた支払総額は大きく膨らんでしまいます。

下図は、100万円の買い物をして毎月2万円のリボ払いをした場合の残債と支払総額の推移を示したものです(年率17.64%で計算)。完済まで92カ月(92カ月目は端数分)かかり、返済総額は約182万円に達します。

最近は、スマートフォンで気づかないうちに設定をリボ払いに変更していたり、カード会社の初期設定がリボ払いになっている事例もあるようです。

高額の買い物は慎重に行うのはもちろんですが、カード明細を確認して、リボ払いの設定の有無をチェックすることも忘れないようにしましょう。