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健保組合 半数が赤字

健康保険組合連合会(健保連)は、令和6年度の決算見込みを発表しました。これによると、全体では145億円の黒字となり改善が見られたものの、依然として約半数の660組合(47.9%)が赤字となっています。保険料収入は賃金上昇や保険料率引き上げの影響で9兆1,444億円(前年度比+4.9%)に増加しましたが、支出も膨張しています。その中でも特に注目されるのが、高齢者医療制度への拠出金です。下図はその推移と今後の見通しを示したものです。

現在3兆8,591億円の拠出額は、後期高齢者の増加に伴い令和12年度には4兆6,700億円に達すると予想されています。先月(2025年10月)から高齢者の医療費の自己負担割合が一部見直されたように、今後は「受給と負担のバランス」をめぐる議論がますます加速していくと考えられます。制度の方向性を見据え、将来に向けた一層の備えが求められる時期に来ているのではないでしょうか。